「ソロ・モンク」は昔から一年中よく聴く。
ジャケットは颯爽としていてユーモラスだが、実際のモンクはもっとズングリムックリしたアシカのような風貌である。
ドラムスやベースなしのソロ・ピアノのみのアルバムで「ダイナ」「アイ・サレンダー、ディア」「エヴリシング・ハプンズ・トゥ・ミー」といった有名な曲はもちろん良い。
個人的には6曲目の「アイム・コンフェッシン (ザット・アイ・ラヴ・ユー)」がずっと気に入っていて「もしかして、この人はピアノが下手なのでは?」と思わせるような、たどたどしい始まり方をする親しみやすい曲である。
しかし勿論ヘタな訳ではないし、有名ではなくとも一度聴いたら忘れられない良いメロディなので、普段まったくジャズなど聴かない人、あるいは子供や老人に聴かせたとしてもこの曲の良さはすんなり理解できると思う。
ただ一言で「こういう曲」と言い難い曲でもあって、軽快で明るいようでもあり悲しげでもある、聴く時の気持ち次第といったところ。
そういえばフリッパーズ・ギターの「ハロー」の歌い出し( early summer, sunny sunday )は「ダイナ」と同じだという指摘を何かで読んだことがあった。自分にとっては「ダイナ」と言えばエノケンか「ソロ・モンク」の「ダイナ」かというくらいの知識しかなかったので、えらく驚いたものである。

Three Cheers for our side ~海へ行くつもりじゃなかった
- アーティスト: Flipper's Guitar,小沢健二
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どちらもアルバムの冒頭の曲なので、灯台もと暗しというか何と言うか「よく知っているつもりでいた二つの曲が実はそっくり」というのは盲点を突かれた気になった。