評判がよいのでかなり期待して、観てみたら期待以上だった!そこまで楽しめた映画は、本当に久しぶりという気がする。
序盤は音楽と行動、カット割がシンクロしていて、その上、台詞の内容までシンクロしているという、変則的なミュージカルのようなテンポの良さが実に快適、そしてツベコベいわずに、すぐにアクションになる点もよい。
ダイナーでビーチボーイズの「Let’s Go Away For A While」がチラッと流れて、そこで完全にハートを鷲掴みにされた。
『ベイビー・ドライバー』2018年1月24日Blu-ray &DVD & UHD発売/同日Blu-ray&DVDレンタル開始
で、豚の会話のあたりから不穏になって、徐々に高まる緊張感だらけの中盤、予測不可能な展開が続いて見事に着地する終盤と、見事で、しかも後味がよい。
「ヒッチャー」と道具立てにやや共通性があり、いずれも本筋だけすごく雑にまとめると「少年が父親と戦って、乗り越える」という話である。本当の父親ではなくて「父親的な敵」になってるんだけど。
ヒッチャー?(1985) (ユニバーサル・ザ・ベスト第8弾) [DVD]
- 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
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あれは当時(80年代終盤)は最高に素晴らしい!!と感激したのだが、後で観るとやや衝撃が薄れて、よくよく考えると終盤で力尽きてしまっていた。
その「ヒッチャー」の長所を一回バラバラにして、誰にもわからないようにあの緊迫感を再構成して、音楽とシンクロさせて枝葉をつけて、途轍もなく主人公をアップデートして、しかも終盤で息切れしないように、完全版にしたような作品が「ベイビー・ドライバー」である。
嘘だと思う人は本当に「ヒッチャー」を観てから、続けて「ベイビー・ドライバー」を観てほしい。私が名画座のプログラムを考える人だったら、ついでに旧「ブレードランナー」もつけて→ルトガー・ハウアーつながりで「ヒッチャー」→「ベイビー・ドライバー」という順で、三本立てのオールナイト上映をしてみたい。そうすると「ベイビー・ドライバー」の結末がより引き立つので。