久々にゾンビ映画を観たら、いかにも「ゾンビ映画の基本」といったたたずまいで、それでいて「生前の意志を残しているゾンビ」とか「壁に飛びつくゾンビ」とか、中には忍者ハットリくんのような奴もいて、ちょいちょい捻りがあって楽しかった。
あっちにもこっちにもウジャウジャとゾンビがいて、最後はそいつらを火炎放射で一掃というのもスッキリしていてよい。
思えば自分のゾンビ映画体験は、10歳頃に映画館で見た「ゾンビ」のポスターが最初ではないかと思う。
↑こういう風に、手を「パー」にして襲ってくる写真が、最初の「ゾンビ」のイメージなのである(個人的に)。当時はその前を歩くことすら恐ろしく感じられるほどで、数年後にTVで「ゾンビ」が放映された時も恐くて観れなかった。
ところが翌日、同じクラスのO君が、
「俺は昨日、あの映画を見たぜ」
と豪語しているので、凄いやつだなあと素直に感心して、質問してみた。
「あのさあ、ゾンビから人間はどうやって逃げんの?」
「スーパーに立て籠もるんだよ」
「それでさあ、最後はどうなんの?」
「ヘリコプターで逃げるんだよ」
「へー、そうなんだ……」
最後はヘリで逃げる、という終わり方があるのかと、当時は妙に感心した記憶がある。
少なくとも子供向けの漫画や、教科書に載っている「物語」風の読み物では「最後はヘリで逃げる」などという終り方はないので、ほとんどカルチャーショックであった。
やがて大学生になってから「ゾンビ」を観てみると、確かに「スーパーに立て籠もって、最後はヘリコプターで逃げる」映画なのである。O君の適確な要約力と、それを引き出した自分の質問力は、小学生にしてはかなりのレベルではないだろうか。
このO君は「小学校の頃の思い出に残る友達ベスト10」にランクインしても不思議ではないのだが、残念ながら下の記事を書いた時は思い出せなかったようである。
O君、今も君の言葉は、僕の胸の中で行き続けているよ(ゾンビさながらに)!