「沖縄やくざ戦争」

 

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「北陸代理戦争」は冬の北陸を舞台にした深作欣二監督の作品であるのに対して、「沖縄やくざ戦争」はギラギラした沖縄で本土ヤクザvs沖縄ヤクザの対立を描いた中島貞夫監督の作品である。

 封切りは前者が77年2月で、まさに冬、後者はその半年ほど前の76年9月公開で、いろいろ対照的な点もあるのだが主人公は同じ松方弘樹、脚本はいずれも高田宏治(後者は神波史男と併記)となっている。

 

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キャストもところどころ同じような顔ぶれで、まず暴れん坊で狂犬で我侭で、組織の幹部連中からは煙たがられているのが千葉真一、弟分でじっと耐える役柄が松方弘樹である。

成田三樹夫は今回、やはり幹部クラスの人物として出てくるが、裏であれこれ画策する陰険な役割で、これはこれで魅力がある。

面白いのは地井武男で、終始ニヤニヤしたスマートなインテリ参謀の、狡猾な蛇のようなタイプなのである。これが「アウトレイジ」の加瀬亮にそっくりなのだった。他にも燃える車や中古車のスクラップ場、ほか風景のあれこれは北野映画を思わせる。そっくりと言えば若い頃の渡瀬恒彦は、今の妻夫木聡にそっくりな雰囲気なのであった。

ただ連続してヤクザ映画を観ていると、常にピラミッド型の組織の頂点は優柔不断かつ無能、底辺は見栄と建前と名誉のために命を捨てる羽目になるパターンで一貫している。そう見ればジャンルとしてのヤクザ映画はよく言われるようなヤクザ礼賛では決してないので、それどころかむしろ個人による戦争や組織批判の色が濃い。