「兵隊やくざ」

 

 

勝新太郎演じる、図体が大きくて漢気あふれる大宮二等兵(元はやくざの用心棒)が、中国奥地の関東軍兵舎に送られてくる。

当初、上等兵(有田)は厄介者の世話係を押しつけられて困惑するのだが、次第次第に大宮に加勢するようになる。乱暴者がなぜか「インテリ上等兵と馬が合う」という点がミソで、バディ・ムービーでもある。

 

 

監督は鬼才・増村保造。
やくざの用心棒だった新兵・大宮は態度の大きさから上等兵集団に痛めつけられるが、名門生まれのインテリ上等兵・有田に救われ、奇妙な友情が芽生える。

 

上官に反発しては懲罰またはリンチを受け、また反抗しては制裁されるという繰り返しで、振り子のように同じ流れを繰り返しているうちに二人の友情が深まるのである。

友情と言っても「男と男の友情」というより、露骨にそっち系のような……、いやそっちじゃない、あくまでも昔は軍隊そのものがこうなんだ、などと考えているうちに、

「俺はお前のことが好きだッ!!」

などと宣言してしまうので始末に負えない。むしろそっち系の好きな人はぜひ観るべきかもしれない。

 

 

結末がたいへん鮮やかで、それはそれで気持ち良いのだが、どうも別の映画で観たような気がするし、「兵隊やくざ」自体を以前どこかで観たのかもしれない。