「大陸横断超特急」

 

 

大陸横断超特急」をやっと見た。これまで2回くらい挑戦しており、確か列車から落とされる辺りで「何だこりゃ」と感じて観るのをやめてしまっていた。疲れていると、時々そうなってしまう。

しかしむしろ「列車で犯罪が起きているのに列車から落とされる」という展開が次の展開へと続き、そしてまた落とされる、という流れがこの映画に特有の型になっている。その上、広川太一郎の吹き替えで「3度目だもの~!」と叫ばれると笑ってしまう。

 

 

他にもヘンリー・マンシーニの上品な音楽、007で有名なあの人物、敵か味方かはっきりしない人物、あの人が実は〇〇だった、などなど、これぞ娯楽映画と言いたくなる要素がてんこ盛りになっている。

ヒッチコックの「逃走迷路」「バルカン超特急」「北北西に進路を取れ」の系譜に入る作品で、移動しながら「追いかけつつ追われる」タイプの映画好きにはたまらない。

ヒッチコックへのオマージュとしては「シャレード」に並ぶポップな味わいだった。

 

余談だが「アメリカ横断ウルトラクイズ」はこの映画の日本公開後に始まっている。

 

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 今回一つ勘違いしていたのは、邦題の“大陸横断…”という部分。公開当時流行っていた記憶があるTV番組、「アメリカ横断ウルトラクイズ」に由来するのかなと思っていた。ところが調べてみると、『大陸横断超特急』の日本公開の方が、「アメリカ横断ウルトラクイズ」の「第1回」が放送されたのよりも、半年も早かったのである。

 となると、逆に番組の方がパクったのか?多分そんなことはないであろうが、公開当時のこうしたアレコレを伝えるのも、その映画を知るための一助になるかなと思う。

 

 

 

あの番組の方がこの映画を参考にした可能性はあると思う。というのは、あの番組に特有の小道具「ウルトラハット」に似た帽子をかぶった団体さんが映画に出てきて、冒頭から終盤までそこそこ顔を出すからである。アンクルサムハットとかアメリカンハットとも呼ばれているらしい。