「刑事コロンボ」覚え書き1

 

 

刑事コロンボ」を30年ぶりに観直しているので、感想と覚え書きを残しておく。

刑事コロンボ」は倒叙ものなので、視聴者よりもコロンボは僅かに遅れて、犯人に気づく。そしていつのまにか、多少の優越感を持っていた視聴者を追い越すようにして真相を探り当てる。

「ウサギと亀」やマラソンの中継と違って、いつ追い抜かれたのかがはっきりしない。視聴者は「いつ、どの段階でコロンボに追い抜かれたのか分からない」「全てが終ってもその点だけは明確にならない」という点がよい。

 

 

人によって「いつ追い越されたか」という感覚はバラバラに分かれるだろうし、コロンボ自身が「あの時に気づいたんです」というのも「うちのカミさんが大ファンでして」というのも嘘くさい。そうした諸々が真偽不明の宙づり状態になる。