観た映画:「ヘッドハンター」☆☆☆☆☆

 

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ジャンル的にはサスペンスとかスリラーとか、あるいは「スリル満点!」「心臓急停止!」とか、その手の謳い文句にビビッと反応してしまう種類の人間……、それが私である。

そんな私が久々にビビッと来てググッと感じてしまったのが「ヘッドハンター」で、この作品は「ノルウェー映画史上最大の興収記録を樹立」「世界の50カ国以上で公開され、ハリウッド・リメイクされることも決まる」とのことだが、日本ではまだ知名度がいま一つ、いやほぼゼロに近い。

なぜかというと主演の アクセル・ヘニー(ロジャー役)がルックス的にいま一つ、というか「冴えない容貌でないと成立しない役」を演じているので、DVDのジャケットも何となくその辺を曖昧に誤魔化したようなデザインになっているせいではないだろうか(格好よくしたいのだが、しすぎると嘘になってしまうので)。

 

ヘッドハンター [DVD]

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身長が低い所を除けば、ロジャー・ブラウンは全てを手に入れた男だ。なぜならノルウェー国内で最も成功したヘッドハンターで最高級の美女と最高級の住まいを手に入れているのだから。ただ、彼には秘密があった。実は、その暮らしを維持するために芸術品を盗んでいるのだ。
そんなある日、高価な絵画を所有している軍隊の元エリートで電子機器で成功したクラス・グレブに出会う。

 

 

というのが公式サイトのあらすじの冒頭である。

身長が低くて、奥さんが超のつくほどの美人で、住まいが超高級なので、総合的に見て「嫌な奴」としか思えない男が出てきて、その上モラル的にもどうかと思うような泥棒をやっていて、さらにもっと酷い、誰もが嫌悪感を抱くような行動も映画の冒頭で出てくる。

ここまでは少しも面白くないのだが、いつから面白くなったのか思い出せないほど急に面白くなってくる。とにかく出てくる人物が皆それぞれ、役柄を微妙に越えて意外なタイミングで意外な動きをするのが一つ、またテンポが速いので飽きる暇がなかったというのが一つ。

 

 

あまりネタばれ的なことは書きたくないが、終ってみるとこれは「最初出てきた時は嫌な奴」だった男が、意外なことに「いい奴」「大いに同情すべき奴」「共感できる奴」に至るまでの複雑な過程を、波乱万丈の地獄めぐりを通じて描いた映画だとも言える。他人がメチャクチャなほど酷い目に遭うのを観察する楽しさこそ、この種の映画が与えてくれる最大の贈り物なのかもしれない。

という訳で自分としては5点満点で☆5つ!と断定したい傑作であった。リメイク版もきっと観るだろう。

☆☆☆☆☆