保険を知るための小さな鍵:入門書のそのまた前

 

 

学問でも趣味でも、それなりの歴史や大衆性を持ったジャンルであれば「定番の入門書」や「名著中の名著」があって当たり前ではないだろうか。

 例えば、将棋の場合「将棋は歩から」「将棋大観」といった古典的名著、あるいは終盤というテーマなら「寄せの手筋200」「寄せが見える本」「羽生善治の終盤術」など、軽く十冊はおすすめの本を挙げることができる。

 

将棋は歩から (上巻)

将棋は歩から (上巻)

 

 

経済学ならこれ、戦争について考えるならこれ、ウクレレの基礎ならこれ、といったジャンルごとに初心者向けの手引きや導入にふさわしい本が大抵はあるものだ。

 ところが「保険」となると、誰でも手軽に読むことのできる平易な入門書がないのである。

 

本ではなく漫画が、ある特殊なジャンルの世界を知るのにふさわしいという場合もある。
「将棋」「釣り」「書道」「百人一首」「農業」「日本酒」「鉄道」といった地味な題材でも、それをテーマにした漫画がある程度はヒットする可能性がある。

しかしそれでも「保険」そのものを扱った漫画でヒットしたものは無いように思う。
MASTERキートン」の主人公の職業は保険の調査員だが、これは保険金の請求が正当なものかどうか、不正がないかを調べる職業なので、実質は探偵に近い。
漫画としてはメチャクチャ面白い作品だが、保険を知る役には余り立たない。

 

MASTERキートン 1 完全版 (ビッグコミックススペシャル)

MASTERキートン 1 完全版 (ビッグコミックススペシャル)

 

 

仮に、一般向けの、
「あるべき理想的な保険入門書」
が存在するとして、このブログではとりあえず、その入門書を読む前の段階の話を書くことにしたい。

つまり、保険というものを知る前に、
「保険の何がわかりにくいのか」
を整理して、その原因や理由や対策などについて、あれこれ考察してみることにする。

「こういう点がわかりにくいんですよね~」

と指摘されて「そうそう!」と確認できるだけでも、読む人は気が楽になるだろうし、モヤモヤしたわかりにくさの霧を掃う手助けにはなると思う。

主な柱はその辺りだが、それ以外の余談もチラホラ書く。

 

余話として (文春文庫 し 1-38)

余話として (文春文庫 し 1-38)

 

 

司馬遼太郎気取りで、
「余話であるが、」
などと書いてみたい。