タイトルの話題では「似たタイトル」というのも幾つか挙げることができる。
例えば「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」というタイトルを目にした時、どこかで見たような気がすると思ったのだが、
だいぶ後になってから、「沢蟹まけると意志の力」を思い出した。
勿論、これは盗作だとかそういった類の話ではなくて、ただ語感やリズムが似ているというだけの話である。
もっと本格的に似てしまった例としては、
「狂気の右ストレート」と「狂気の左サイドバック」、どちらもスポーツノンフィクションで、文庫にもなっている。間違えて買う人はいないだろうが、他人のそら似的なそっくりさんである。
他に「午前三時の何とか」「午後三時の何とか」というタイトルも多いのだが、ただ多いというだけで本当に意味がなく、気のきいた仮説やコメントも思いつけないので省略する。