今週のお題「今年買ってよかったもの」〈2014年をふりかえる 2〉
お正月にCDを何枚かブックオフに売った時に、ゆらゆら帝国の「めまい」だけはやけに買い取り金額が高かったので「あれっ?」と思った。それまでは「めまい」もその他のゆら帝のCDもあまり本腰を入れて聴いておらず、深く考えずにおそらく二度と聴くまいと判断して売ったのであった。
ところが、過去のゆらゆら帝国の作品を少しずつ聴いているうちに止まらなくなって、結局ほぼ一年かけて「3×3×3」以降「空洞です」までのアルバムとベスト盤、坂本慎太郎の1st、5月に出た2nd「ナマで踊ろう」を聴き、ずっと聴き続けている。
12月になるというのに、まだ飽きないというのは異常というべき事態である。ここまで飽きずに長く聴き続けたアルバムというと「女王陛下のピチカートファイヴ」「ドゥーピー・タイム」くらいのものだ。

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もともと「ロック」というジャンルがさほど好きではなかったのだが、ゆらゆら帝国の影響でビートルズの曲の聴こえ方まで少し変わってきて、もともと好きだったジョンの「Happiness Is a Warm Gun」や「I Am the Walrus」や「Hey Bulldog」はますます良い曲だと思えるようになってきた。
それだけでなく、ジョージの「I Me Mine」や「Blue Jay Way」まで稀代の名曲と思えるようになってきたので、かなり耳が進歩したような、世間から遠く離れたような地点にいる。
わからない人のために書いておくと「Blue Jay Way」というのは普通の中学生や主婦が聴いたら「何でこんな曲があるんだろう?」「これがビートルズなんですか?」と考えるような曲であり、それが普通の反応である。
さらにもう一度、ゆらゆら帝国に話を戻すと「Sweet Spot」などは、もうアルバム全体がジョン・レノン的な感覚やフレーズばかりで満たされているように思えてならない。
ブルージーでサイケな音に、ナンセンスで達観しているような歌詞、どこかヘナヘナしたヴォーカル。「タコ物語 」で“ LOVE ”を連呼する部分など、ジョンの魂が坂本慎太郎に乗り移ったかのようで、もし可能なら全曲をジョンの声で聴きたいほどである。

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そういう訳で「今年買ってよかったもの」は、ゆらゆら帝国のCD全般と言いたいところだが、実際はレンタルCDをコピーして聴いているので、買ったものとしては「しびれ」と「ナマで踊ろう」になる(どちらも名盤)。
聴いた回数でいうと「ミーのカー」が一番で、とりわけ「アーモンドのチョコレート 」は一年で二千回ほど聴いたのではないだろうか。
来年は五千回くらい聴いてもいいと思っている。