住み慣れた街や、思い出の街。記憶に残っている人や、好きな店。街について話してみませんか?
今週のお題は「好きな街」だが、現実のどこかの街よりは映画や漫画の中の街の方が「街」という字にふさわしいような気が何となくする。
このところずっと「新装版オバケのQ太郎」を読んでいるせいか、特に古い藤子漫画に出てくる、あの独特の佇まいを持った街には惹かれる。
特徴としては、
① 道の左右に板が立っていて、それが塀になっている。つまり板塀である。時々、節穴が残っていたりする。
② 野良犬や野良猫が多い。「のらネコ」「ノライヌ」などと表記される。丸々と太っているか痩せており、食べ物を盗む。
③ 普通に道を歩いているだけで、すぐに学校の友達と会う。自分の経験では、普通に外を歩いていて女の子に会ったりはしない。
④ 普通に道を歩いていて、先生に会ったりする。自分の経験では、学校を一歩出ると、もう学校の先生は存在しない。
⑤ ちょっと歩くともう駅前になる(駅前は大きな四角いタイルのようなものが敷かれている)。自分の経験では、歩いてもなかなか駅には着かない。
⑥ 駅前のにぎやかな場所にお父さんの勤める会社がある。行こうと思えばすぐ行けるような距離らしい。自分の経験では、そもそも子供はお父さんの会社に行く用事がない。
⑦ 割と近くに動物園がある。自分の経験では、動物園があるのは上野である。
⑧ 隣の家の庭に盆栽が並んでいる。うちの隣どころか、盆栽が並んでいる庭を見たことがない。
⑨ 遠景に工場や、煙突のシルエットが見える。現実ではあまり見たことがない。
⑩ 空き地が遊び場で、大きな空き地で野球ができる。また、ちょうど座れるように土管が三本ほど積んである小さい空き地もある。
よくよく考えると、今となってはどれほどの大金持ちでも、権力者でも、絶対に行くことができず、入れない街である。
それでいて、藤子漫画を読むだけでいつでも誰でも行ける街でもある。
不思議な距離のある場所だが、自分としては一度でいいからこの街に小池さん的な立場で住んでみたい。
今週のお題「好きな街」