先日読んだ「YMOのONGAKU」が面白かったので、勢いづいて坂本龍一の「音楽は自由にする」を読んで、「CODA」も観た。
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「CODA」は自伝的な内容の「音楽は自由にする」に映像をつけたようなもので、やや物足りない。これならNHKの「ファミリー・ヒストリー」の方が感動的だった。
ところで坂本龍一は、私が知っているよりもずっと沢山の映画音楽を作っていて、その中のひとつが村上春樹原作の「トニー滝谷」である。
監督が市川準、原作が村上春樹、音楽が坂本龍一、主演はイッセー尾形が一人二役、それに加えて宮沢りえも一人二役、その上、ナレーションが西島秀俊という、名前を並べただけで豪華な印象を与える映画だが、ネームバリューにお金をかけすぎて予算が尽きてしまったかのような地味な出来栄えだった。
このサントラが「さすが坂本龍一!」と絶賛されているのだが、自分はあまりピンと来なかった。
むしろピンと来たのは宮沢りえで、彼女はいつのまにか年を取るにつれて顔が野球のホームベースのようになってしまったが、昔の宮沢りえはもっと顎が尖っていて、小判のような輪郭をしていた。
本作では一人二役の二役目の方が年齢的に若い人物になって、若くなった分だけ宮沢りえも昔の面影を取り戻すのである。その瞬間「あっ!そういえば昔の宮沢りえはこんな感じだった!」という新鮮な驚きを味わった。
昔の宮沢りえと言われてもピンと来ない人は、ノリ子をいじめて「ざけんなよ!」と叫んでいた頃の勇姿を確認してから「トニー滝谷」を観ていただきたい。