図書館に新潮社の「波」というPR誌が置いてあって、中身はみな自社の宣伝ばかり、どれもこれも新刊のヨイショコラムである。
しかし見方を変えれば悪口のない平和な世界なので、安心して読める。時間つぶしに読んでいたら阿川佐和子の「やっぱり残るは食欲」という食べ物エッセーがあり、何度も牡蠣に中っているのに、くじけずに食べ続けているという。
牡蠣では私も2,3回かなりひどい目に遭ったので、もう一生涯口に入れずに済まそうと思っていた。しかし果敢に牡蠣に挑む阿川佐和子さんの姿勢にはたいへん教えられるものがあったので、ここに記して感謝する次第である。