「鑑賞メーター」に書いた、映画の短い感想というか、メモ風の短評が280本分たまっているので、少し整理してまとめてみたい。
本来なら280本の中から厳選して「おすすめベスト100」とでもした方が喜ばれるのかもしれないが、順位をつけるのが面倒だし、
「傑作ではない作品」
「観たものの内容を忘れている作品」
「評言だけ読むとやけに興味をそそられる作品」
など、ごちゃ混ぜになっていた方が面白いように思うので、ほぼそのまま観た順の逆に並べてある(ブログの上部が新しく、下に進むごとに古くなる)。
誰も観ないような明らかな駄作や、わかりにくい映画は省いてある。また所々、コントや漫才のDVDも含まれている。
各回の最後で、いま現在の視点で振り返ってみてお勧めするとしたらどの作品を選ぶかを考えてみるので、参考にどうぞ。
味方に「24」に出てきた極悪人がいるぞと思っていたら、やはり悪役だった。
個人的には「宇宙物に見えて時間物の要素もある」ところにSF的心のふるさと感がある。
殴り合いでスポックが飛んだり跳ねたり頑張ったりしたのは意外だったが、最初から最後まで安定した面白さだった。
bananaman live 2013 Cutie funny
五億円の宝くじが当たった人のコントが良かった。
二人だけで移動もない、それなのに普通の映画よりずっと広がりがあって面白い。
日雇い労働者的な食べ方や屈折の仕方に味がある。
「何だかんだ言ってもこの人は将来、芥川賞をとる人だ」という目で見るので救われている面もあるが、なかったらかなり印象が落ちると思う(人物に対しても映画そのものに対しても)。
BU・SU
「もらとりあむタマ子」を観て、急に思い出したので再見。
まるで今の台湾映画のような、湿気に満ちた80年代の東京が見える。
「二つの台詞を同時に流す技」が何回か炸裂し、説明を削った省略の美学もよい傑作。
何と、昨日観たばかりの女殺し屋が出てきたのにはビックリ。
全体にスピーディで飽きさせない、手堅いスマートな作品だった。
タイトでスピーディで洒落た空気もあって、あっという間に観ることができた。
女性の殺し屋ものは凡作が多いが、これはまずまず、無駄のなさと物足りなさと半々くらい。
これは良作。音楽がほとんどない点がいいし、最初の15分くらいは台詞も少ない。
初日舞台挨拶を見ると「晩春」を意識していたらしい。市川準の名前もチラッと出ていて、そうするとアクセサリー教室のあの人の配役も腑に落ちる。
ヒットガールがワゴン車の上に乗ってのアクションシーン!!
それだけだった。
薬品の実験器具を壊されてしまい、偶然できた液体を使って魔球を投げることが可能になった科学者のコメディ。
全体にアッサリしていて深刻ぶらず、愉快。
こういうサラッとした喜劇はいいな~。
恐怖と欲望
あまり期待せずに観たが、期待せずに観れば期待以上の場面や絵や台詞が豊富にある。
いかにもキューブリック的な空気、サスペンス、意外性。
そして独特の、香気ただよう無駄のなさで、頭がしゃっきりする。
エレキコミック第20回発表会『NaNoNi』
エレキコミックはいつも馬鹿馬鹿しくてよい。
オープニングテーマ(曽我部恵一)が切ない、軽快な曲。
オルガンがいい。
まとまってCD化したら絶対に買うレベル。
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最初のパートは傑作だと思ったが、モデルが出てくるパートから本当にしんどい。
つまらなさに疲れた。
「複数のエピソードが有機的に絡み合う」のと「偶然、誰かと誰かがその場に居合わせただけ」は全く違う。
最初に観たのが20年以上前で、今回は3回目くらい。
なぜかこの殺人鬼は父のように主人公に接するので、変則的な父と子の物語のように見える。
今回はほとんど「理不尽な神と、それに翻弄される人間」のようにも見えた。
たかがスリラー映画だが、解釈しきれない余りが出すぎる映画。
悪魔の毒々モンスター
昔から観ようと思っていたが観る機会がなかった映画。
2014年の今、これは「キャリー」の男の子版で「アウトレイジ」めいた珍妙殺人カーニバルと言えばほぼ足りているような気がする。
アルゴ
スリルとサスペンス満載、ノンフィクションの持つ説得力と「事実は小説より奇なり」という面とがうまく合わさっている。
しかしどうにも既視感ありで、
「どうせ間一髪でセーフなんだろうな、やっぱりな」
という変な失望が常につきまとう。
話が進めば進むほど、どの場面も定石通りで「ラストキング・オブ・スコットランド」を想起する。
筋としては人を探索するだけの話だが、全編に緊張感が漲っており途中下車できないような力があった。
最後の場面は露骨過ぎるほど「空虚」そのものといった絵。
まるで「東京物語」のように虚ろだ。
サプライズ
しょぼい。
序盤思わせぶり、中盤で犯人グループの真意が明らかになってしょぼさマックス、その後も好意的に観て「普通」と「しょぼい」を行ったり来たりする。
ラストは鮮やかで、ここだけ良い。
相棒 劇場版II -警視庁占拠!特命係の一番長い夜-
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脚本に関する本で「悪役スピーチ」という言葉があるのを知ったが、この映画の終盤の悪役スピーチはなかなか魅力的。
緻密で飽きさせないテンポのよさがあるし、見応えもある。
冒頭は何だか薄味の話だな~と思って観ていたのだが、単純な設定に「これでもか」というほどてんこ盛りのアクションで、あっという間に時が過ぎた。
オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主
ストーミーがかわいい!
何でこんなにパッとしない主人公にストーミー?と思うほど。
いかにも「しゃれた台詞の応酬」風のやりとりが出てくるが、何を言っているのかほぼ意味がわからなかった。
今回のまとめ
この中で個人的に良かったな~と思うのは「もらとりあむタマ子」で、あまり音楽が無く、台詞も少ない映画に惹かれるようになったのがここ数年の傾向である。
理想としては「BU.SU.」を観てから「もらとりあむタマ子」に進むのが良いのだが、順番が逆でもそれはそれで面白いと思う。