やはり、あまりにもボロクソに斬り捨てているような感想は外すことにした。
ほどほどに駄目出ししているものは残してあるので、駄目映画ファンの方も引き続きお楽しみください。
DIAMOND SNAP
久しぶりにバナナマンのコントのDVDを観た。
以前よりもコンパクトになった印象で、善と悪の椅子に座るやつと「お会計~!」のコントが良かった。しかしそれよりも、特典映像的な爆発物処理のくだらなさの方で大笑いしてしまった。
- 出版社/メーカー: NIKKATSU CORPORATION(NK)(D)
- 発売日: 2009/04/10
- メディア: DVD
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「あらかじめ教師が結論を用意しない」という態度は、最高の教育でもあるが、無責任そのものでもある。
実際、行き当たりばったりだし、家畜とペットを混同させておいて、こじれた状況を子供に議論させるのは無茶で無謀だ。
「やろう」という意志も、反対派の教頭や親たちも少々ぬるい。
「最終的には教師が決断を迫られる」という展開は自然だが、うっかり者がツケを払わされたかのような古風な映画的構成とクライマックス、着地点を作ってしまう。が、意外とそれがストレートな感動を与えてくれた。
ヴェロニカ・レイクが可愛いのでビックリするほど。
筋書きも人物の性格、台詞、行動もいちいちキュートで面白い。
人に勧めずにただ一人で愛でていたくなる。
ゆれる
役者がよく役にはまっていて、伊武雅刀、蟹江敬三、木村祐一などもそれぞれ味がある。
「ディア・ドクター」に比べると荒削りな力作という面と洗練・繊細な面が混在していて、一筋縄ではいかない。
兄と弟どちらの人物造形も秀逸で、他人事と思えないリアリティと深みがある。
サマータイムマシン・ブルース スタンダード・エディション (初回生産限定価格) [DVD]
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2006/02/15
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もともと青春物のよさが今ひとつピンと来ない体質だったのだが、中盤から後半は久々に良いものを観たなあという満足感を得ることができた。
演技と音楽が素人臭いが、素晴らしい脚本。
たまたまテレビの旅番組で「カタパン」を見かけたのだが、この映画にも出てきていた。
影武者
最後まで観て「あっ、これ前にも観たんだっけ」と思い出す映画がたまにあるが、これもその一つ。
今回は細部までよく人間関係や意味が分かった。
黒澤明は本当に映画が「面白い」かどうか、「美しい」かどうか、の自己判断が正しかったからこその高評価なので、何となく神格化されているウソ巨匠とは違う。
恋はデジャ・ブ
これは前々から観るつもりだったが、実際に観てみると期待以上に優れた作品だった。
こうなるだろうな、という欲望の順番に色々な行動をするのだが、後半ほとんど崇高さを感じさせるほどになり、それが最終的には恋愛物に着地する。
「同じ一日の繰り返し」という奇妙な現象の理由・原因についての探求がないのだが、そのことすら映画の良し悪しに関係のない長所になっている。
WOWOW開局20周年記念番組 三谷幸喜「short cut」
WOWOW開局20周年記念番組 三谷幸喜「short cut」 [DVD]
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ここ数年の三谷幸喜は、正直な話あまり興味を感じなかったが、これはワンカットで最初から最後まで、という技術的な点よりもロードムービーのお手本のような起伏と緩急のつけ方に引き込まれた。
蜂のくだりで中井貴一が「やだ!やだー!」と泣き叫ぶあたりから面白さが加速して、最後には拍手したくなるような素晴らしさ。
ドラマとは人間の喜怒哀楽を描くものだ、といった当たり前のことを再認識した。
鈴木京香に意地悪されたり、喧嘩してみたいと誰でも思うよな~。
スティング
スティング コレクターズ・エディション (初回限定生産) [Blu-ray]
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それが詐欺であろうと映画であろうと、大技を成立させるためには小技を駆使できないと駄目ですよと教えてくれる。
結末以上に中盤が見事な映画だった。
ペーパー・ムーン スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
- 出版社/メーカー: パラマウント ジャパン
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音楽が控えめで描写もシンプル。
写真とお金と、ブレーキの利かないトラックと、三つの要素が見事に絡んだ結末がいい。
中盤の事件はホテルの作戦と酒をめぐる詐欺くらいしかないのに、バランスがよい。
一つ一つの場面が丁寧に磨き抜かれている。
快適なテンポと上質な軽さで、気楽に楽しめる。
ウディ・アレンの映画はこの辺りが一番懐かしいし、観た後でいい気分になる。
深作欣二の映画に特有のテンポの良さに酔う。
だらけた所や退屈な場面がなく、さっさか話が進んでスッパリ終るのがいい。
精神的にも肉体的にも、このテンポの良さは快感。
「こんにちは赤ちゃん」の使い方は少々くどい。
松竹 寅さんシリーズ 男はつらいよ 寅次郎忘れな草 [DVD]
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たまに見る初期の寅さんシリーズは、寅次郎が全く「いい人」ではないことを思い出させてくれる。
思わず顔をしかめるほど迷惑で、わがままで、身勝手で、心底うんざりさせてくれる要素が9割ほどで、残る1割が僅かに「どこか憎めない人」、それが寅さんではないか。
この第11作は過去の「ふられ列伝」みたいな場面がいいし、最初の夢→ピアノをめぐる騒動というおなじみの流れが絶妙で、鐘が鳴るタイミングまで可笑しい。
簪(かんざし)
ごくささやかな事件と、その後のちょっとした推移と、少しだけ誇張された普通の人々と、美人が少々いればよい映画ができるのだという、そのことが幸せに思える。
ディア・ドクター
ゆるいようで緊密な筋の進み具合、テンポ、間など、感覚的に自分にピッタリ合っていた。
性急ではなく、かといって、もたついているわけでもない。
「偽者の方が本物よりずっと本物である」という展開はこの種の話のお約束だが、誰も「本物」ではないのでは? と一瞬こちらまでグラッとなる。
音楽が控えめでピアノだけのBGMの部分は良かった。
最初と最後のブルースは余計。
井川遼が登場してから急に映画の面白味が増した。
007/スカイフォール
序盤のスタイリッシュな映像美、中盤のサスペンス、お仕舞いは「古風なスタイル礼賛&新規巻き直し」。
結論としては全体の抑えたトーンもいいし、冒頭のアクションも好きで、五十周年記念で007好きのための幕の内弁当みたいな一作。
もっと芸術っぽい映画かとばかり思っていたが、いい意味で裏切られた。
サスペンス性が高く、下世話な面もエロもグロも通俗的な面もあり、「キャリー」のような干渉過多の母親像。
しかし中心にあるのは一人の女性の「葛藤」と「成長」だし「光と影」の戦いでもあるので、王道を行くような安定感がある。
現実と幻想の区別がつかなくなってくる(観客側も)点が長所でもあり短所でもある。
ストレートに「成長」を描くためには、主人公も、それを演じる女優も大変な苦労、試練、犠牲が必要になるものなのか。
丹下左膳餘話 百萬兩の壺
三回目くらいの鑑賞。
春っぽい、うららかな、ほのぼのとした調子のよさにいつまでも浸っていたい。「言ってることと真逆の展開」という繰り返しのギャグがいい。
ラスト、結局どうなったんだっけ?と忘れていたが、実に粋な終り方。
今回のまとめ
今回は有名な名作、良作が多いので選び甲斐がない。