何でも日記:「読書会」への憧れ その1

前々から「読書会」に参加したり開催したりすることに憧れを持っているのだが、なかなか上手くいかない。

その「上手くいかなさ」について、これまでの経緯や考えの移り変わりをメモしておきたい。

最初は今から遡ること十年以上前の話になる。

読書系のブログを集めたグループがあって、掲示板でのやり取りが活発だったので「読書会をやろう」と持ちかけたら「やろう」「しましょう」とすぐ話がまとまった。

この時点では、読書会といえば「毎月一冊の課題図書を決めて、参加者が共通の本を読んで感想を語り合う(あるいは感想をそれぞれブログに書く)」というスタイル以外の選択肢は無かったように思う。あったとしても、ほぼ上記のようなスタイルにすぐ収まった。

これはこのままスイスイと上手く実現できそうだった。

ところが、課題図書を決める段階になると皆が「投票で決めよう」と言い出してしまった。私は不特定多数の人間による投票結果というものは、得てして最大公約数的なつまらない結果にしかならないと思ったし、実際にそう言って説得を試みたのだが押し切られてしまった。

嫌な予感はそのまま的中して、結局、課題図書の第一号は「ハリー・ポッターと賢者の石」となった。

 

ハリー・ポッターと賢者の石 (1)

ハリー・ポッターと賢者の石 (1)

 

 

別にこの小説に恨みはないが、皆で感想を言い合っても仕方がないし、そもそも買うのも読むのもしんどい本なので、言いだしっぺの私はこの会に参加しなかった。そして結局、二年ほど経つとこの集まりも読書会も別の理由で消えて無くなった。

 

その後でまた別の人に誘われて、別の読書系SNSに参加した。するとこちらでも読書会があって、課題図書の選定に多少の工夫があった。毎月持ち回りで課題図書の選定担当者数人がいて、それぞれが複数冊の候補を挙げるようになっていて、その候補作の中から参加者全員の投票で一冊に絞られるのであった。

この方式は前に比べるとずっと良いのだが、僅差で敗れた二位や三位の本を熱烈に推していた人にとっては、一位の本にはあまり魅力が感じられず、士気が下がる。システムとしては皆の意見を公平にうまく拾える筈なのだが、参加者全員のうち、毎月必ず二派や三派に分裂しやすいシステムになってしまっているのであった。

私は投票するのも結果を待つのも面倒だし、自分の興味と重ならない本が多かったので参加しなかった。

 

そのうち、世間ではビブリオバトルとか言って、感想ではなく紹介、批評というよりプレゼン重視のスタイルの読書イベントが注目されるようになった。これは書店の販売促進という意味では効果がありそうだが、面白いかどうかとなると微妙なところで、自分はさほどやりたくない。

しかし「感想」というスタイルに限界を感じるので、「紹介」や「要約」なら意義があるのではと考えるようになった。

 

(その2に続く)