「バニー・レークは行方不明」

 

 

「ジェニーはご機嫌ななめ」みたいなタイトルの通り、バニー・レークという四歳の女の子が失踪してしまう。母親は必死で探すのだが、何も手がかりが出てこない。

 


Bunny Lake Is Missing

 

あまりにも手がかりが少ない上、肝心のバニー・レークの姿が画面に一度も映っていないせいで、ほとんど不条理劇のような雰囲気になってくる。どいつもこいつも皆が怪しげで思わせぶり(特に家主)で、「あ~これはもう、謎なんか解く気が全くない系の映画では?カフカとか安部公房とか?」と考えざるを得ないレベルにまでエスカレートしてくる。

 

バニー・レークは行方不明 [DVD]

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次に母親が疑わしく見えてくる。母親と言ってもメチャクチャ美人なので、いつまで観ていても飽きなくて助かるのだが、「結局これは、病んだ母親が生み出した妄想なのでは?」という説が映画内でもチラホラと出てきて「あ~これはもう、現代の狂気が生み出した悲劇というアレか?」と、まあその線で手を打ちましょうかね……。

と思い始めた辺りで急転直下、「えええええええ!!!」「そっちか(色々な意味で)!!!!」という驚きを久々に味わえた。驚きすぎて頭がさっぱりしたほどである。

 

バニー・レークは行方不明 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

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どうも映画は原作と違う結末らしいので、もし原作の結末がショボくても別の意味で驚けるのでは?と期待が高まるほどであった。