「キャプテン・マーベル」

 

 

「アベンジャーズ/エンドゲーム」を観た時に、やけに強いスーパーガールみたいなのが宇宙を飛び回っていたので「あれ?何だったらこいつ一人でも勝てるんじゃね?」などと思ってしまいました。心の中のこととはいえ「こいつ」呼ばわりしてしまった件を丁重に、心よりお詫び申し上げたいと存じます。

というのも単独の作品「キャプテン・マーベル」を鑑賞させていただきましたところ、限度がないほどメチャクチャ強いお方なのだと、認識を改めさせていただいた次第であるからでございます。

 

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何しろ手から「かめはめ波」のような熱線をお出しになるのですが、「か~め~は~め~……」とエネルギーをためる間がないのです。前置きがなく一瞬で「波!」です。やりたい時にやりたい量だけ「波!」「波!」「波!」とやってしまう、それがこの映画のマーベル様なのです。

たとえば百回くらい連続で「波!」とやっても、またすぐにできる。やかんを熱くしてお湯を沸かすくらいなら、当然すぐできてしまう(冗談ではなくて、本当にこういう場面を目撃しました)。空だって、ちょっと飛びなれていないだけで、飛ぼうと思えばすぐにピューッと飛べる。空だけでなく宇宙もドヒュン!と同じノリで飛べる。大型の宇宙船ですら、やっつけようと思えばすぐにボコボコに破壊できてしまう。あたかも子供が砂の城を水鉄砲で壊すような調子で、軽々とやってのけてしまいます。

 


映画『キャプテン・マーベル』本予告

 

ネーミングに関しても当初は「キャプテン・アメリカ」と「キャプテン・マーベル」ではあまりにも似ていて、夫婦でもないくせに紛らわしいのでは?と危惧しましたが、少しも紛らわしくありません。パーマンの後からパー子やパーやんが出てきたからといって、混乱する人がいないのと同じです。何しろアメリカの強さを1とすると、マーベル様の強さは100000000000000000000000000000000000くらいですから、間違いようがありません。

最も感銘を受けたのは、首筋にマーベル様の力を抑制してしまう機器がついている、と判明する大ピンチの場面です。手術で埋め込まれているのですから、きっとこれを解除するのは容易ではないぞ、さすがのマーベル様もこれは無理かもと思いきや「ふぬーっ!」という鬼の形相で、手でベキバキッと外してしまいました。

結果としては血も出ずに、何かこう「ちょっと大きめのカナブンが首に止まっちゃってたわよ」みたいな、ごく軽いノリでです。おそらく体内にあったものを素手で掘り返しても、痛みもなく血も出ない、傷口なんかすぐに塞がっちゃうわよ、だからあんたたちも少しは前向きに生きてみなさいよ、という熱いメッセージがこめられているのでは……いや、そんな小賢しい解釈はやめにしたいと思います。

ただ単にマーベル様が勝利したという事実、それだけでもう我々には充分すぎるほど有り難い教えであり、福音であり、声なきみことば、心の支えなのです。本当に心よりお礼と感謝を述べさせていただきたく存じます。