前々から聴きたかった「味噌蔵」を途中まで聴いたのだが、途中で、
「ミル・マスカラスとドス・カラスって名前が揃ってないのに兄弟なのかよ!」
という疑問が思い浮かび、気になって仕方なくなってきた。
よって途中から噺に集中できず、聴くのをやめてしまった。
帰宅してからウィキペディアなどで「ミル・マスカラス」他を調べても、この兄弟の名前が揃っていない件に関しては特に何も書いていなかった。
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今日も「味噌蔵」を聴きそこなった。
やや体調が悪いので本を読んでゴロゴロしていたら、色々と落語的な発見があったのでメモしておこう。
メモその1。
佐藤優の神学に関する本を読んでいたら、
「神学においては論理的整合性の無い方が勝つ」
などと過激な考え方が出てきて面白かった。
そしてさらに、
「神学は虚学である。しかし、何の役にも立たないがゆえに役に立つ!」
と言い出す。
これはどこかで聞いたことがある理屈だと思ったら、立川志の輔だった。
志の輔はよく対談やエッセーで「落語は何も無いけど、何でもある」と言っている。
メモその2。
「考える人」という雑誌の椎名誠の文章を読んでいたら、雨水をいかに効率よく利用するかという社会派的なルポのような
ものだった。そして急に志ん朝の「水屋の冨」の話が出てきた。
これは自分も以前聴いたが、内容はすっかり忘れている。
メモその3。
押入れから漫画「ピンクのカーテン」が出てきて、買ったまま放置してあったので少し読んでみたら近親相姦的な話でビビッてしまった。
しかし談志の言う「落語とは業の肯定」という定義を推し進めると、近親相姦や人肉食のようなタブーも「業」として捉えて肯定する落語ができても不思議ではないのかもしれない。
そういう意味では、漫画というジャンルに比べると落語はまだ随分と大人しい。
メモその4。
なぜか小学校の頃に鉄棒が流行したことを思い出した。
なぜか、足かけ回りや振り子などという技に熱中して、5分間の休み時間でも放課後でも鉄棒をやっていた。手を豆だらけにして。別にきっかけや理由があった訳でもない。地域限定で期間限定の流行としか思えない。
「理由のない流行」というものの無意味さ。これは落語的だ。
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志ん朝「真景累ヶ淵-豊志賀の死」
1. 真景累ヶ淵-豊志賀の死 出囃子「老松」~マクラ
2. 真景累ヶ淵-豊志賀の死 発端
3. 真景累ヶ淵-豊志賀の死 雨夜の出来事
4. 真景累ヶ淵-豊志賀の死 世間の目
5. 真景累ヶ淵-豊志賀の死 嫉妬~変貌~業病
6. 真景累ヶ淵-豊志賀の死 鮨屋の二階
7. 真景累ヶ淵-豊志賀の死 豊志賀が来ていた
8. 真景累ヶ淵-豊志賀の死 おそろしい知らせ~切り~中入り砂切り
今日は志ん朝の「真景累ヶ淵-豊志賀の死」を聴いた。怪談話だが所々笑いが起こるような所もあって、楽しく聴いた。
しかしとうとう「志ん朝復活」というツタヤに置いてあるシリーズは全部聴き終えてしまった。
来るべき日が来たという心境だが、この後は一体どうすればいいのであろうか。志ん朝をもっと聴くには一枚一枚CDを買って少しずつ聴かないといけないが、それでも演目として残っているのはあと10席くらいのものだ。
DVDも出ているが、大体はCDで聴いてしまっているので、何となく買う気がしない。
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柳家小三治「野晒し」
今日は図書館にあった「野晒し」を聴いた。構成が枕三十分、噺が二十五分となっていて、ここは評価の分かれる所だ。
枕が好きな人にとっては、CDでこれほど沢山聴くことができて嬉しいかもしれない。しかしそこまで大変な面白さがあるかというと、何とも微妙だな~としか言えない。
本題の方もやや今ひとつで、トータルで考えると志ん朝、談志レベルには届いていないような気がする。
面白いと思ったのは「ドッコイショーのショ」とか「よっこいしょーのしょ」という風に声を出す所で、私の祖母も全く同じ言い方をしていた。
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落語関係の本を読んだので書いておく。
まず金原亭馬生に関する本を読んだ。
内容は色々。中でも「笠碁」で喧嘩していったん分かれた碁友達の「待つ側」からの視点で演じるというエピソードが意外だった。本を読んでいて「えっ!!」と声をあげそうになったのは久しぶりだった。
あとは弟子や関係者が人となりを回顧する対談やエッセーがあって、芸談は大体がみな面白い。それに談志のインタビューや
馬生自身のエッセーや俳句もあるので、本としてはバランスがよくとれている。
「何でもいい」というのが馬生の口癖だったようだ。
「何でもいいんだよ。でもどうでも良いわけではないんだ」
というのがカッコいいね。
それからこの人は芸談や説教を嫌ったらしいので、そういうアッサリした粋なところがいい。でもやや物足りない本だった。
馬生のCDはツタヤにあるので、「笠碁」だけでも聴いてみたい。
それから、将棋の罰ゲームで読むことになった「じょしらく」という漫画も読んだ。
この漫画は余り説明がなく、いきなり楽屋らしき所で5人くらい女性落語家がいて、会話をするというもの。
毎回最初に「くだらない質問」が出てくる(「犬と猫はどちらが好きか」など)ので、それに対してどう応じるのかという大喜利的な展開になる。
落語に余り関係がないという話だったが、本当にその通りだった。
しかし!
おまけにCDがついていて、そっちは一応落語らしいので、そちらも聴いてみてまた感想を書くことにする。