「映画と恋とウディ・アレン」はウディ・アレンの誕生から始まって、製作した映画を時代順に辿ったドキュメンタリー。パート1と2を合計すると3時間強となるので時間的には大作だが、過去の映像と短いインタビューの繰り返しでテンポがよいので疲れない。
自分は映画の全作品のうち6~7割は観ているし、2回以上観た作品も少なくないので、「そういえばこういう映画もあったっけ」という懐かしさと新しい発見(使っているタイプライターとか出演依頼の方法とか)がいい塩梅に混じっていて楽に観ることができた。山あり谷ありで、本人の最後の台詞も「いかにも」といった一言である。
しかし映画そのものをほとんど知らない人には不親切かもしれない。せめて「アニー・ホール」「マンハッタン」「カイロの紫のバラ」「ハンナとその姉妹」「マッチポイント」「ミッドナイト・イン・パリ」くらいは観ておいてからでないと楽しめないのではと思う。
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その反面、このドキュメンタリーが各作品の入り口になるのであればそれもいいかなという気もする。本作はコメディアン時代と映画と私生活の一部しか題材にしていないが、他にも戯曲や「ニューヨーカー」に発表した小説などもあるので、結局どこからどう入っても、全創作物から見れば一部に過ぎないのでどうすれば正解というものでもない。
- 作者: ウディアレン,Woody Allen,井上一馬
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「ギター弾きの恋」の前にフェリー二の「道」を観ておくべきだとか、「スターダスト・メモリー」は、「インテリア」は……、と言い出すと本当にきりがないのでやめておく。