そういえば昔「アガサ 愛の失踪」という映画があったような気がすると思って、あれこれ探した結果、観てみたのがドラマ「アガサ・クリスティー 謎の失踪 失われた記憶」である。
アガサ・クリスティは有名作家になってから、唐突に何日か失踪してしまい、家族や警察が大騒ぎになったという、妙な空白期間がある。
その事実を知らない人にとっては新鮮かもしれないが、私は何となく既に知っていたことを90分の再現ドラマで再確認しましたよという感じで、やや味気なかった。仮説が三つか四つくらい出てきてくれればまだしも、特にこれといった新説がある訳でもない。
温泉のホテルに泊まっていたのを発見する男が、何と「シャーロック」でホームズのお兄さん役を演じ、かつ製作・脚本を担うマーク・ゲイティスだったので、アガサの行方うんぬんよりもそちらの方が衝撃的だった。ちなみにこの人は数年前に来日していて、「8月の日本には行ってはいけない」という忠告を無視して8月に来たりしている。
理由は説明できないのだが、私は常々日本に行きたいと思っていた。
子供の頃に見た『007は二度死ぬ』や『将軍 SHOGUN』、ドラマの『TENKO』(日本軍の捕虜収容所での体験を描いたドラマ)、クライブ・ジェームスショー(テレビ番組)に影響されて、複雑で狂気で矛盾をはらみつつも素晴らしく美しい文化という印象となり、それが私には魅力的に映ったのだろう。あらゆるガイドブックで同意している事がある。即ち、8月には行くな、行くなら春の桜が満開の頃、もしくは木々が赤銅色に燃える秋だと。しかし暑くて湿度が高い8月は避けろ、と。という訳で、昨年(2014年)の8月9日、友人であるエマと私は日本に到着したのだった。
アガサの失踪事件に話を戻すと、この件を題材にした本や映画があれこれあって、本人は死ぬまで何も言わなかったらしいが、ずっと世間の興味を引き続けて、ごく最近の2015年にも映画化を予定されていた(おそらく途中で流れた)。
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どうも「夫の浮気が原因でカリカリしていて、懲らしめる目的で隠れてみたら、出るに出られなくなった説」というのがあるらしい。関係ないが「クレイモア」に登場する「鮮血のアガサ」は格好よかったのでお勧めしたい。
あの漫画は20巻くらいからグダグダしていたので読むのをやめてしまったが、その後うまく持ち直して、27巻できちんと完結したとのこと。