気になるのはどちらか問題

 

 

夕方のニュース番組を見ていると、いつの間にかニュースではなくて町の平凡な食堂やカフェの紹介になっている。

これは自分が子供の頃にはなかったように思うが、今ではどこの局もこういうコーナーを用意していて、いつも店の紹介は「古民家を改造したカフェ」「家族三代で支える中華料理店」「老夫婦が切り盛りする大衆食堂」などである。

 

東京ノスタルジック大衆食堂 (タツミムック)

東京ノスタルジック大衆食堂 (タツミムック)

 

 

その後は「さて、気になる……」となって、それが「お味の方は~?」になるか、それとも「お値段の方は~?」になるかのいずれか、この分岐点で私がきっと「お味」が気になるんだろうなと予測すると「お値段」の話題になり「お値段」の方かなと思っていると逆をついて「お味」の方になる。

この分岐点を過ぎると「お値段」ならば「リーズナブル」「安い」「庶民的」「お財布に優しい」と続く。「お味」ならばもちろん「美味しい」「うまい」「ご飯何杯でもいける」となる。

もうパターンが決まりきっているので、たまには食堂やカフェ以外のたとえば書店、銭湯、学習塾、八百屋、魚屋、眼鏡屋などでもいいのではないかと思う。それでもまた大衆食堂か中華料理かカフェかで、またかと思いながら見て、予想してはまた外れる。