「パリは燃えているか」の感想を書こうと思っていたら、社会的な影響力が大きい火災事件が起きてしまい「不謹慎」と言われかねないので静かにしていたところ、
今度はヨーロッパ各地で気温が40度を越えて、パリでは42.6度という記録的な猛暑になってしまった。
このタイミングで「パリは燃えているか」なんて観てたらダメでしょ、不謹慎でしょ、各国で死者が出ているんですよと、文句を言われるのではないか。
そんな風に考えていましたが、よくよく考えてみるとこの映画はそもそも原作がノンフィクションだし、それを映画にした時点で不謹慎といえば不謹慎な訳で……。
実在の人物が何十万、何百万人、何千万人規模で、あちこちで殺したり殺されたりするのが戦争で、それに配役だの演出だの音楽だのを付けて「作品」にするっていうのは微妙な問題を抱えているもので……。

パリは燃えているか?〔新版〕(上) (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: ラリー・コリンズ,ドミニク・ラピエール,志摩隆
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- 発売日: 2016/02/09
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パリは燃えているか?〔新版〕(下) (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: ラリー・コリンズ,ドミニク・ラピエール,志摩隆
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仮に今、京アニの火災事件の一部始終を「映画化!」なんてことを目論む人がいて、人気俳優の誰それさん主演、人気声優の誰々さんが被害者役を演じます、犯人役は誰々さんが体当たり演技、本物そっくりの現場と犯人の汚部屋を再現、なんて流れになったら、間違いなく「不謹慎だ」と非難されるでしょう。
しかしそういう不謹慎性を、第一次世界大戦以降の戦争映画にはほとんど感じてこなかったというのはいったい何故なのか。
と考えつつも、この映画に関しては「SWにそっくりだな!」と思ったのがまず最初の感想なので、とりあえずそれだけメモしておきます。