話が長い人の分類:枝葉系

 

 

人前で話をするのに慣れていない人は、おおむね変なところで説明が細かくなる。

つい先日もいろいろな人が話をするタイプの講演会に行ってきたのだが、やはりその手の細かく言おうとして失敗する系の人がいて、要点がぼやけてしまい、意味が薄くなって、話が長く感じられた。

 

普通の話の場合:この会は、毎月一回、第一木曜日に活動しています。

 

長い人の場合:ええ~、この会はですね……「ハッピー、アンド、ええープリティ」という名前でして、ええ、わざわざこの、スライドに書いてあるのを読んでみましたが、ええ、英語にお詳しい方がいらっしゃるとアレなんですけど、その、発音とかに自信がございませんのでネ……。ええ。この会のええー、活動がでございますが、毎月第一、の、主に、つまり主としてですね、木曜日、またはええ、どうしてもっ、ええ皆さんのですね、都合の合わないような時はですね、その場合には、ええ、金曜日に集まっていただいておりますです、はい。えーと、えっ、一月と八月と十二月は、えっ、休む場合も、あるということで、それなりにまあ、ええ定期的にというんでしょうか、ほぼ同じような間隔でもって、ええ例外もありますがね、ありますがええ、やっております。

 

こういう人はおそらく、聞き手にとって「重要な情報」と「そうでない情報」を区分けできないまま喋っているのではないだろうか。例外的に何月がどうとか、たまには金曜日もとか、そういう枝葉は取っ払って、ただ概要だけを言えばいいのだ。

誰かが急に立ち上がって、

「木曜日に活動しているって言いますけどね、たまには金曜日の日だってあったじゃないですかー!」

「そうだそうだ、無責任なこと言うなー!」

「訂正して下さいよー!」

「去年もその前も、例外的な日があったぞー!」

「切腹しろー!」

なんて騒ぎになるとでも思っているのだろうか。とにかく、必要以上に細部にこだわりすぎて、かえって全体がブレブレになっているケースはこの人以外にもたいへん多い。こういう人に道案内の説明を電話でしてもらうと、頭が変になりそうである。

例に挙げた人(五十代のCさん)の場合は、「え」も多すぎるので、全面的に「え」は禁止にして、「え」は1回、「ええ」は2回、「えーと」は3回ひっぱたくくらいの刑罰を与えながらリハーサルをするべきだ。