死の読書会

 

 

先日、自分が運営している読書会で無断欠席者が出てしまい、これには困った。

悪意がないにしても、運営側としてはやりづらい。

もちろん、

「うっかり読書会の日を忘れてしまった」
「急用で行けなくなった」
「電車が急に遅れた」
「道が混んでいた」
「急にお腹が痛くなった」

といった理由は考えられる。

そのために前日に出欠確認のメールを出しているし、当日も遅刻しそうな時は電話かメールで連絡を入れてくれとお願いしてある。

にもかかわらず、前日に出欠の返信がなく、当日も連絡がないままに、とうとう会が始まって、そのまま終わってしまった。

終わってから「実は何々で欠席してしまいました。結果として無断欠席になってしまい済みません。次回は出席します」というメールが来たので安心できたのだが……。

これがもし、もしですよ、

「近くの公園で暴漢に襲われた、読書会に行く途中のAさん」

なんて事態になっていたとしたら、一体どうなるのだろうか?

ワイドショーや週刊誌で騒がれたりするのだろうか?


「Aさんは血まみれになりながら、誰もいない公園で助けを求め続けた……」

「願いもむなしく、二時間後に出血多量で死亡!」

「遺族の悲痛な叫び!Aさんを返せ!」

「参加しなければよかった、死の読書会!」

「検証!一体そのとき、読書会の運営は何をしていたのか?」


何をしていたのか?って言われても、読書会だよね!


坂上忍「責任者の目さんは、そういう可能性をほんの少しでも考えなかったんですかね?Aさんという人間ひとりの、命がかかってるっていうのに!まったくもう!」

 

いくら命がかかっていても、無断欠席者がどこで何をしているかまではわからないですよ!


関係者の証言「ええ、目さんは子供の頃から、普通じゃないっていうか、変な本ばっかり読んでいましたよ、ええ……はい、そうですねー、いつかはこういう事件が起きても……、ねえ?(音声を変えてあります)」

 

変な本ばっかりで悪かったな!なんて言うと炎上しかねないので、黙っているしかないってパターンかよ!

とにかく本当にこういう事態を招きかねないので、皆さんも何かの会に参加する時は、無断欠席しないように注意してください。