今年最初に観た映画が「女神の見えざる手」である。SWでなくて本当によかった。年末に起きた悪夢は、新年と共にすっぱり水に流しておきたい。
政権の決断に影響を与え、世論も左右するプロの集団がいる。その名は「ロビイスト」。
いったい彼らは、どんな戦略を巡らせて、その見えざる手で権力をも操作し、人々の心を動かしていくのか?
ロビイストの知られざる実態に迫る問題作!
“仕事人"としての矜持と人間くささの両面を、『ゼロ・ダーク・サーティ』でアカデミー賞(R)主演女優賞にノミネートされたジェシカ・チャステインが体現。本作品でゴールデングローブ賞主演女優賞にノミネートされた怪演で、観る者の目をクギづけにする。
【ストーリー】
大手ロビー会社で辣腕をふるうエリザベス(J.チャステイン)は、銃擁護派団体から仕事を依頼される。女性の銃保持を認めるロビー活動で、新たな銃規制法案を廃案に持ち込んでくれというのだ。信念に反する仕事はできない…エリザベスは部下を引き連れ、銃規制派のシュミット(M.ストロング)の小さなロビー会社へ移籍。奇策ともいえる戦略によって、形勢を有利に変えていく。
ロビイストはアメリカの映画でときどき出てくるが、他の国の映画では見かけない。やることは有力者への働きかけや説得というより、買収、脅迫、根回しのようなことばかりである。
その上、スパイ的な盗聴、個人攻撃、マスコミへのタレコミ、果ては劇場型犯罪のようなことまでするので、どこまでが誇張でどこまでが現実にありそうな行動なのかわからない。
ロビー活動は予見すること。
— 洋画台詞&シーンbotアペンド (@yougaserifubot2) July 23, 2019
敵の動きを予測し──
対策を考えること。
勝者は、敵の一歩先を読んで計画し、敵が切り札を使った後、自分の札を出す。
敵の不意を突くこと…自分が突かれぬよう。
(女神の見えざる手) pic.twitter.com/SH9IzNAwyY
それでも映画としてはわかりやすい山場がいくつもあって、結末も余韻がグワーンと響く。良い映画なのにタイトルが意味深長すぎて、イメージ的にぼんやりしてしまうのが惜しい(「ロビイスト」という単語も入れにくいし、難しいところ)。サスペンスやコンゲーム物が好きな人には強くお勧めしたい。