俳句の本を読む
「八十八句」は丸谷才一の句集である。 しかしこの本は非売品で、全集の初回配本分の特典になっていたもの(注:後に「七十句」と合わせて文庫化された)。 七十句/八十八句 (講談社文芸文庫) 作者: 丸谷才一 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/11/10 メ…
俳優や落語家、作家など芸能人・有名人が句集を出している場合、やはり余技なのでどうしても俳人の句集より見劣りがする。 そういう本を期待しつつ読んでみてガッカリすることも多いのだが、その分、当たりと思える句集にぶつかると嬉しい。
俳句関係の本として「歳時記」は外せないが、さすがに複数冊を読んで比較は出来ない。来月から一日一句のペースで俳句を作ることにしたので、必要に迫られて一冊だけ購入してみた。
俳句の本が数々ある中で、これまでに私が読んだ本はせいぜい数十冊にすぎない。 その数十冊の中で何の留保も条件もつけずに☆5つと言える本は二冊しかなくて、そのうちの一冊が本書である。
大抵の本は一読した直後におよその印象や評価が定まって、それ以降ほぼ動かない。だから再読して評価が上がったりすると、それがかなりの名作であると実感できる。 この本はかれこれ二十年以上も手許にあって時々読み返しているが、印象も評価もその時その時…
渡邊白泉の代表句「戦争が廊下の奥に立ってゐた」を初めて知ったのは自分が二十歳の頃である。 この句の「いきなり」な感じは強烈で、しかも思わず笑ってしまうような衝撃と、じめじめした不吉な暗さが同居している。本書はその白泉の句から百句を選んで、一…
以前紹介した句集「蜂の巣マシンガン」の選句をしたのが前回の「魅了する詩型」を書いた小川軽舟で、つまり師弟関係である。小川軽舟のそのまた師である藤田湘子が書いた入門書がこの本になる。
小川軽舟は俳句結社「鷹」の主宰で、この本は俳句の専門誌に連載された文章をまとめた評論集である。 初心者向けの俳句の定義などは書いていないが、結社や師弟関係、切れ字、ポエジー、文語、難解さといったテーマごとに明解な文章で明解な論旨の文章が続き…
正岡子規の随筆集は「随筆」と言っても今の随筆とは異なり、日記や創作や批評や政治論や俳句論やらがゴチャゴチャに混ざっていて、猥雑な面白さに満ちている。 この「松蘿玉液」はたまたま立ち読みでパラパラ見ていたら、類想句の話題が出ていたので買ってみ…
俳句の本のうち「作り方(詠み方)」指南の本が割と多くある。 この本は発想別に多くの句が100通りに分類されているが、分析や解説は少ない。 ひとつのテーマに関する文が2,3行あって、例句が数作あって、一句につき1~3行のコメント風の言葉が添えられ…
「機嫌のいい犬」は作家の川上弘美が出した句集で、私が初めて全て読んだと言える句集であった。以前にも少しブログで紹介したことがある。 機嫌のいい犬 作者: 川上弘美 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2010/10/26 メディア: 単行本 クリック: 16回 この…
自信満々で「私は雑多に何でも読みます」とプロフィールに書いている読書家でも、なかなか句集には手を出さない。というかそもそも「句集」という分野は視野に入っていないように思われる。 私も作家や芸能人が余技で出している句集は読んだことがあったが、…
俳句関連の本を大別すると、「句集」「鑑賞・批評」「アンソロジー」「入門書」「歳時記」の5つくらいに分けられる。 そのうち明らかに多そうなのが入門書で、おそらく売り上げ全体の半分近くは入門書によるものではないかと思う。
俳句の本を何冊か続けて読んだので、その感想を書いてみたい。 お勧め度は星5つを最高として、 ☆5つ→大いにお勧め、買ってでも読むべき ☆4つ→良書、お勧めできる本 ☆3つ→ごくごく平均的な本 ☆2つ→やや難あり~欠点の目立つ本 ☆1つ→駄本、買っても読ん…