オネーギンによる鉛筆の教え

こんな夢を見た。 オネーギン、というのは姉のことである。 幼い頃からそう呼んでいるオネーギンが、色鉛筆を三十本ほど机に用意している。「この鉛筆を折ってみなさいよ」「いやだよ、もったいないじゃないか」自分は拒否する。「三本の矢じゃあるまいし」…

籠の鳥

こんな夢を見た。 自分はごく平凡な平侍である。 ある夜、忍者を捕えたとの報が城内をめぐった。 滅多にないことで、心が騒ぐ。 ところがその忍者を目にした誰もが、戻ってくると顔色を失っている。「どんな奴だ」「何とも……」「少しくらい教えてくれ」「………

8月なのに1月

こんな夢を見た。 自分が、日本有数の進学校の体育教師にされている。 いつも半袖のポロシャツを着て、下はジャージで、首から笛をぶら下げている。 共学の私立校で、およそ半数近くは女子生徒である。男女いずれも体育という科目や体育教師を馬鹿にしている…

こんな夢を見た。 物心ついた頃から、自分は特別な扱いを受けている。「ら桃かま生れ桃じ郎た太ゃ」「たず村の子ち供っよ力り、とが強ゃい子じ」 お爺さんとお婆さんの話はわかりづらいが、何となく伝わってくるものがある。村人も子供らも同じように話すの…

双子の仲直り

まだ若かった両親と、生まれたばかりの私の三人家族が建て売り住宅に住み始めたその日に、隣の家にもイギリスから白人の夫婦が越してきた。そして、ほとんど私と誕生日が一緒の双子の姉妹を伴っていた。 すぐ隣に同じ年齢の姉妹が住んでいて、ちょくちょく行…

野球から二塁が消えた理由

世の中ってのは、理屈が通っていて「こっちの方がいい」と皆が自然に思ったら、投票なんかしなくても必ずそうなるものなんだ。世の中は理屈で動く。 うん。もう随分と昔のことだからな。そりゃ見たことだってあるよ。そうそう、当時の野球の「塁」ってのは、…

しりとりの練習をする少年【朗読編】

「よし、じゃあ松山、立ってこの詩を音読してみるように」 「……あ、はい……(……に、に、人魚姫!)」 「詩っていうのは心に響くように、心をこめて読むんだぞ?」 「はいっ!(……ぞ、ぞ、ゾンビ!) ……。 カムチャッカの若者が……(……が、がんもどき!) きり…

しりとりの練習をする男

「なあ松山、ちょっと話があるんだけど……」 「……(……ど?……ど、……どら焼き!)」 「今、いいかな?」 「あ、はい……(な……、夏休み!)」 「忙しかったらいいんだけど」 「いや、大丈夫です……(おいおい、また「ど」で攻めてきたか……、土曜日!)」 「昨日、…

クラリネット君とゆかいな仲間たち

僕はクラリネットです。 皆さんにお友達を紹介しますね。 カラリネット君は、カラリと晴れた空のようなさわやかな性格です。 キラリネット君は、キラリと光るものを持っています。 ケラリネット君は、ケラケラとよく笑います。 コラリネット君は、毎日のよう…

思い出に残る留学生たち

パキスタンからの留学生が「日本の文化を広めたい」と面接で宣言して入社した先は日本文化センターであった。テレビショッピングの会社である。チリからの留学生は「日本の芸術を深く学び、広めたい」と考えて来日し、卒業後はアート引越センターに入社した…

文章の先生

二十年前の春のこと、ひげを生やした大柄な男が森の奥に居つくようになった。たった一人で小屋を建てているらしいという噂が村に広がった。 やがて五月になると小屋の形が整い、六月にはその「誰か」が若い医者だとわかった。彼の住まいはその小屋で、診察室…

びっくりガムの効果

妹が、夏休みの最後の日に「びっくりガム」というおかしを発明しました。 「おねえちゃん。これ作ったから、かんでみて」 もらって食べてみると、ふつうのミントの味がしました。 「あたしも今から、かんでみるからね」 と妹がいいました。 「どんな色になっ…

節目

幼い頃、余の家族は毎年の夏を田舎の親戚宅で過ごしたものだ。 古びた家屋の天井には巨大な節目があった。ある晩、節目の総大将のようなそれと目が合ったような気がした。文字通りの「目」として、じっとこちらの様子を伺っているように思えてならない。布団…

何とかかんとかの世界

ダン!とテーブルを叩いて、息子が何とかかんとかした。「お父さんは僕のことを、何とかかんとかとして扱って、いつも絶対に何とかかんとかじゃないか!」 姉も大きな声で、何とかかんとかする。「そうよ、お父さんはいつだって何とかかんとかのことなんか、…

「ね」が好きな女の子

普段からさりげなく、めがねを「ねがね」、歴史を「ねきし」と言っている。 幼い頃から歴史好きで、なぜかというとひたすら固有名詞が出てくるからである。「とくがわいえやす」と発音しなければならない時には、さりげなく「とくがわいねやす」と言っている…

クの子供たち

まだ幼いクの子供たちが整列し、行進していると、 クククククク々ククク 何やら一人だけ、毛色の違う子が混じっていた。 ク「おい、お前だけなんだかヨタヨタしていて、動きが鈍いぞ!ククク……」 々「引きずってしまうんだよ。この、下の方のストッパーが邪…

コロンブスの帰還

アメリカ大陸を発見したとされるコロンブス自身は、かの地をインドだと思い込んでいた。その上、帰り道がまったくわからなかった。 そして実は、船の向きが逆になっただけで北も南もわからなくなるほどの方向音痴で、かなりの重症であった。 ごまかすにして…

七月は創作ばかり

小噺みたいな小説を書いて「カクヨム」に置いても、一定期間を過ぎると読まれなくなってしまうので、勿体ない。そこで、こちらのブログに少し移しておくことにしました。 「バカバカしい!」 「テーマがない!」 「作者からのメッセージがない!」 「ふざけ…

一文日記:最近はブコメも一文で済ませています

みんなちょっとたのしい話しよう [音楽] Sonny Rollins の「St. Thomas」は超有名で何度も聴いたので今さら聴いてもなあ……、と思っていたが、あらためて聴くと、とても素晴らしくてちょっとたのしい。<a href="http://musisch.com/2013/02/16/sonny-rollins/" target="_blank" rel="noopener nofollow">">http://musisch.com/2013/02/16/sonny-rollins/ 2018/0</a>…

一文日記:お散歩ビンゴ

お散歩ビンゴという商品を発見したので、お年寄りに何かプレゼントしたい時や快気祝いなどに使うことにします。 おさんぽBINGO(お散歩ビンゴ・おさんぽビンゴ・フィールドビンゴ)【ブンケン】 まち 出版社/メーカー: 株式会社 勝竜社 メディア: この商品を…

一文日記:アマゾンのふりをした詐欺メール

ご注意ください! 大変申し訳ございません、あなたのアカウントは閉鎖されます。あなたのアカウントAmazonを更新できませんでした、これは、力ードが期限切れになったか、請求先住所が変更されたなど、さまざまな理由で発生する可能性があります。 Amazonをご…

一文日記:「自由の幻想」を観た

ブニュエルの「自由の幻想」は今の目で見ると「思いっきりハナ肇の銅像コントだな」とか「全盛期のごっつええ感じのコントみたいだな」と思いますが、ボケている時ですら誰も少しも笑わない(子供は別として)空気感が非常に素晴らしいので、結論としては「…

一文日記:「悪魔の手鞠唄」はこういう点がいい

仁科明子が可愛くていいし、刑事の若山富三郎もある意味、いじらしくて可愛らしいし、そして三木のり平がいい所を持っていくのがまた実にいいし、警察官の岡本信人が慌てて転ぶのもわざとらしくていいし、テーマ曲が何となくテレサ・テンの「つぐない」っぽ…

一文日記:中身でなくて「皮」が好きクラブ

中身ではなくて、たとえば鶏肉よりも鶏の皮の方が遥かに好きな私としては、もなかの皮専門通販サイトなどを発見すると嬉しくてたまらず「これは小説でいうと『文体練習』みたいなものかな」とまで考えて絶賛したくなります。 たねらく -最中種(もなかの皮)の…

一文日記:セネガルといえばトゥレ・クンダ

「セネガル」というと、かつてサザンオールスターズと共演したトゥレ・クンダというグループを私は想起しますが、他の誰も知らないだろうなと考えてしまい、話題に出すことすらできないでいる私と似た、ごくごく少ない数の人々に同情します。 KAMAKURA(リマ…

一文日記:日経新聞のサッカー欄の武智幸徳記者

日経新聞のサッカー欄の武智幸徳記者の記事は、時々えらく印象的な表現があるので、実は前々からひそかに楽しみにしているのですが、先日のブラジル対コスタリカ戦でのネイマールと主審の対立関係を、 衝突を重ねた熱血教師と不良生徒についに分かり合える日…

一文日記:W杯を利用したずるいPVの稼ぎ方

「W杯の優勝は◎◎◎で絶対に間違いなし!」と断言するブログを並行して20ヶ国分くらい作って、敗退した国のブログはこっそり消しちゃって、ベスト8くらいになったらわざと敗退した国のブログも残しておいて、誰かにわざと見つかるように仕向けて「こいつはこ…

一文日記:せっかちな人のW杯観戦風景

せっかちなので新幹線が動く前に駅弁を食べ終えてしまう私は、選手が君が代を歌っている最中に、もう用意したビールとおつまみを食べ終えてしまい、すっかり酔いが回った状態で「何じゃい日本コラ!もっと走れ!」などと文句をつけて、前半が終る頃にはもう…

一文日記:地球は一つ、も一つ作れば二つ

この記事には本当にびっくりで、ガッチャマンの替え歌の「地球は一つ、も一つ作れば二つ」という名フレーズをそのまま実行して、しかも貧富の格差をなくして、地方復興まで出来るというアイディアなので、もう株式会社メタップスに死ぬまでついていこうかと…

一文日記:どんな人になりたいか?

「どんな人になりたいか」と訊かれたら「夏は涼しくて、冬はあたたかい人です(体温的に)」と答えて、ついでに感心もされたいです。 パシーマ 夏は涼しく冬あったかガーゼと脱脂綿でできた自然寝具 シングル 生成り色 出版社/メーカー: 龍宮株式会社 メディ…